地下の水がめ「地下ダム」
農業立島を目指す喜界島は、国営地下ダム事業として「地下ダム」建設が急ピッチで進められています。
平成15年の総完成をに先立ち、昨年には地下ダム本体が出来上がり、今年8月8日から一部地域で待望の通水が始まっています。
喜界島の地下ダムとは
喜界島の地層は、水を透さない島尻層を基盤として、その上層を多孔質で水をよく透す石灰岩からなります。
このため、地下の保水能力に乏しく、雨水は石灰岩を伝って海に流れ込んでいます。
地下ダムは、海に向かって流出する地下水を、「止水壁」を地層中に作り堰き止めて、石灰岩の空洞等に蓄えます。この地下水を動力で汲み上げ、全島の必要な畑に配水するものです。
ダム堤長 2,190m
堤高 36m
総貯水量 168万d
有効貯水量 134万d
畑かん必要量 250万d
ダム依存両 230万d
湾頭原地区
ダム本体(止水壁) 建設工事(平成4年12月1日着手)
九州農政局喜界水利事業所パンフレットより
ダム本体工事終了(平成11年10月7日)
工事現場は埋め戻され整備された畑
現在、島内の畑地へかんがい用水を送るための用水管(総延長45Km)等の建設工事が進められています。
農業用水を自由にコントロールできる日も間近です。
喜界島の地下ダム事業では、一町一島のために、総額273億8千万円の国費が投じられています。今、世間では公共事業は諸悪の根元のように言われていますが、農業に生きる島「喜界島」では地下ダム批判の声は聞かれない。
それにしても、喜界島の地下はどのようになっているのか不思議でなりません。大小の鍾乳洞が迷路のように張り巡らされているかも?確かめてみたいものですが・・・・・・・
参考資料 喜界町誌(平成12年8月31日発行)
広報きかい
九州農政局喜界農業水利事業所発行パンフレット